前回までのあらすじ)
小学校から高校まで、非モテな人生送る主人公はそのまま大学に進学。そこで酒の勢いに任せてカノジョができた。果たしてここからようやく、モテモテな人生がはじまるのか・・・。


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告白をしてOKをもらい、翌日カノジョと昼からデート。待ち合わせはミナミだ。しかし当日の朝、カノジョからメールが届く。「今日家に親いないからウチ来る?」マジか!オレは瞬時に勃起した。いや、勃起してる場合ではない。とりあえず「行く」と返事。カノジョの最寄り駅を教えてもらい、電車に乗り込む。ここでこれまで頭に詰め込んだエロ知識をひもとく。

これは、どう考えても、SEXするよな。そらそうよな。うむ。ドラッグストアでコンドームを買った。しかし、使ったことがない。駅のトイレに入って、大の個室でパッケージを開封し、とりあえず説明書を読む。付ける練習をしとこうか。いや。それはないよな。しかしぶっつけ本番で付けるの戸惑ってたらダサイよな。

結局実物はあらかじめ見ておいたほうがいいという結論に至り、一枚袋を破って取り出す。小学生のころ、白いハイソックスをくるくる丸めながら脱いだのを思い出した。なるほどなるほど。付ける要領は理解した。いけるだろう。ゴミ箱に捨てた。コンドームを一枚無駄にした。

カノジョの最寄り駅に着いた。するとカノジョが迎えに来てくれて、歩いて一緒にカノジョの家に向かった。今思えばカノジョによる直家アポである。

すぐに自分の部屋に通された。一緒に雑誌を読んだり、漫画を読んだり。台所の冷蔵庫からジュースも出してきてもらって一緒に飲んだ。特に変な動きは、今のところない。

が、しばらくしてカノジョがベッドに誘ってきた。ゴクリ。はじめての経験に変な汗がにじむ。ここの記憶はあまり残っていない。とにかく必死でSEXした。正直、普段オナニーしてるほうが気持ち良かった。

ここからカノジョとの付き合いがしばらく続いた。カノジョとは同じ大学の1年生だが学部が違った。だから同じ授業は受けることはなかったが、お昼休みはキャンパス内で一緒にごはんを食べた。時にはお弁当を作ってきてくれた。すごくいいカノジョだった。が、しかし、ほんとうに申し訳ないことに、あんまり好きではなかった。その一つの理由に、なかなかのブスだった。

勢いで作ったカノジョ。カノジョは自分のことを好きでいてくれる。けど自分はあんまり好きではない。じゃあなぜ告白したんだという話。長続きはしなかった。適当な理由をつけて別れを告げた。食堂のテラスで一緒にお昼ごはんを食べている時、別れ話をした。ごはんはカノジョが作ってくれたお弁当だった。それを食いながら別れ話をした。最低だ。カノジョは泣いていた。

別れて翌日、オレはカノジョから漫画を借りていることを思い出した。別れたとは言え、借りたものは返さなければならない。無神経なオレは普通にメールで「漫画返してなかったから返すわ」と送った。すると、鬼のように罵声を浴びせられた。もう顔も見たくないから、漫画は自分の友達を取りに行かせるからその子に渡してと指示された。無神経なオレは、なにこいつ?と思った。

指示された時間に指定の場所に漫画を持って行く途中、偶然にもカノジョを見かけた。無神経なオレは、あ、ちょうどいい。本人に渡せば早い。と思い、話しかけ、漫画を渡した。すると、鬼のようにキレられた。「友達に渡せって言ったやんけ!」と、ブチ切れされた。オレは、なにこいつ?と思った。

大学生活でカノジョが出来たのはこの子が最初で最後だった。別れてすぐはまたすぐ出来るやろと余裕ぶっこいていたが、全然出来なかった。いつしか周りの友達はラブラブなカップルだらけになり、気づくとオレはそういうやつらからバカにされるようになった。

一人すごい女遊びになれてる男友達がおり、時折合コンに連れて行ってくれたのだが、おいしいところは全部そいつが持って行き、オレは出汁に使われ、反省会と称し、毎回むっちゃダメだしをされた。

大学4年になり、理系の学部だったオレは研究室の配属となった。生物系の研究を行う研究室で、同学年はオレを入れて4人。一人が女の子で、オレとあと2人男子。研究室配属となったあとは、この男2人と毎日つるんでいた。

ときおり女の話になり、2人の男はきっちりカノジョ持ちで、オレだけカノジョがいなかった。そこで2人はおもしろがって、オレにカノジョを作らせる遊びを始めた。

当時はやりだしたmixiのコミュニティーを作り、メンバーはオレたち3人限定で非公開。今でいうLINEのグループラインのようなもので、その中でオレにカノジョを作らせる作戦を話し合った。

生物系の研究室は試験管やシャーレでさまざまな菌を培養する。その培養する菌には名前を付けるのだが、それになぞらえて女を培養するというコンセプトでおもしろがっていた。

学園祭で知り合った女子校生で見た目の点数は100点満点中95点(スト値のようなもの)の女の子をメンテ中、であれば、「JK95株」培養中。合コンで知り合った見た目85点の女の子と連絡が途切れて死番となれば、「G85株」死滅。などなど。

このとき自然と今のナンパ師がやってるようなことをやっていた。いろんな女を同時進行で追うという、LOVE理論で言うところの執着分散理論を無意識に採用していたのだ。

そんな悪ふざけをしていたわけだが、結局菌は全て死滅し、残ったのはむなしさだけだった。







(つづく)